2012年1月17日火曜日

究極のバイオマス燃料:ヤク糞

ラダック関係の資料を読んでた時に、農村でエコでサステイナブルな生活を目指す試み、というか実際的に電力供給不足を補うのにソーラー発電、ディーゼル節約のためにバイオマス燃料の使用を奨励、みたいな感じの記述があったんですけど、バイオマス燃料?て思いましたが、よく読めばヤクなど家畜の糞のことでした。確かに・・

バイオマス燃料って日本の電力の文脈で使用されると火力発電で化石由来燃料と混焼する木材チップとかヤシ殻のことを指す(火力発電時に発生する二酸化炭素を、木材の成長過程で吸収する二酸化炭素と相殺すると言う理想的理論の元で)のでそのイメージだったんですけど、ヤク糞は確かに生物由来の原料ですね (参考:バイオマス-Wikipedia)

噂では聞いてた、ヤク糞を燃やしてストーブとか料理の燃料にするの、ラダック旅行では暖かい季節だったし農村ホームステイ的なこともしなかったので遭遇しなかったんですけど、思わずシッキムで体験する機会がありました。

シッキムの首都・ガントクから2泊3日で北シッキムトリップへ出かけた時の話(てか、旅行代理店の人には1泊2日と言われていたんですけど・・ま、いいけど)。北シッキム、Lachungの宿併設の、グロッサリーストア兼グロッサリーストアを切り盛りする3姉妹(9歳~16歳)の寝室兼宿のリビング的な(多目的すぎる・・)ところに、ストーブがありました。おもむろに燃料を取り出す宿の人。ん??何??

尋ねたら、


ヤクの糞を乾燥させたものだよ
これかヤク糞燃料!!!!
で、ストーブに投入したら、糞臭さは全くないけど、ワイルドなお香みたいな、独特の匂い。
草っぽい、と言えなくもない感じ。全然嫌な臭いじゃないです。薬草を燻してる匂い?的な。
ちなみに、この時は油も投入して燃焼させてましたけど。
なぜか翌日はフツーに薪使用してましたが(木が豊富にあるシッキムですから!!!薪!ってだけでラダックとは違う・・とかいちいち感慨深いです笑。なぜか無駄にラダック基準な価値観)。薪はやっぱりよく燃えるし火力も強くてストーブの側にいると火照ってしまうんですけど、ヤク糞はじわじわ燃焼する感じで火力も強くなく、物足りなさはあるけど、ちょっとアロマだし(草臭)、それはそれでじんわり温まります。薪を電灯とすると、ろうそくみたいなイメージ。

究極のバイオマス燃料・ヤク糞体験でした。
Lachungの村ではヤクはおらず、Yumthan Valleyの方のもう少し高度が上がったところでヤク放牧してる模様。Yumthan Valleyまでの道でよく見かけました。

燃料供給元
あと、この宿ではヤクの乾燥肉も頂きました。
南ア風に言うと(南アに住んでたので南アかぶれです)、beef biltong!もっとメジャーな言い方をすると、ビーフ・ジャーキーみたいな。ワイルドなbeef biltong。まあ、想像できますよね笑。何でもワイルドって形容すればいいと思ってる節はあります。てか、南アでもワイルドなビーフみたいなゲーム肉(クドゥとか)を食べてたはずなのでもっと詳細な表現ができるはずですが・・ゲーム肉の味、忘れてしまいました

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ちなみに、シッキムは水資源が豊富なので、隣のブータンと同じく水力発電が主電源。というか、水力だけかな? その他電源は山奥にあるシッキムでは輸送とかの問題もあって難しそうだし。Lachungのちょっと下流でも新しいダムが建設中でした。ここも地震で土砂崩れにあったりしたらしいですけど、私が訪れた時は建設が進んでました(またすぐ地滑り起こしそうな怖い斜面の真下で)。シッキムの水力発電も環境的、文化的にいろいろ賛否あるらしいですけど。シッキム滞在中、10分程度の小規模停電はあれど、電力供給は安定してました。すごい!!(すごいんですよ、このすごさ、電気は24時間滞りなく供給されて蛇口ひねればお湯が無尽蔵に出てくる日本で生活してたらなかなかわからないですけど。311で計画停電はあったけど)ただ、数回遭遇したプチ停電の1つが、大晦日の23:54~と言う、すごいタイミングww もはや暗闇でHappy New Year!!!と叫ぶローカル。でした。

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